ピオトル・グロゴゥスキ/Piotr Glogowski。マジック・プロリーグのメンバーであり、我々晴れる屋メディアにいつも、深くそして素晴らしい記事を寄稿してくれる名ライターでもある。
「表面的なサイドボーディングの危険性と機会費用」や「モダンの最強デッキを見分けよう!~スロットマシンコンボ~」を筆頭に、彼の記事は反響が大きく、考えさせられる内容のものばかりだ。
この度はそんな彼の、気になる調整過程を聞くためにインタビューを行うことにした。
『灯争大戦』、『モダンホライゾン』、『基本セット2020』という新しいエキスパンションが加わりました。選択肢が豊富にあるなかで、まずどのようなデッキから試しましたか?また、そうした理由は?
桁違いの強さだと思われるデッキから手を付けました。ネオブランドがその立場にあると感じたのですが、結果的にはあまりプレイアブルなデッキではありませんでしたね。
その次に過剰なデッキパワーを持っていると思ったのが《甦る死滅都市、ホガーク》を使ったデッキです。こちらに関しては本物でした。
試していくなかで使用を諦めたデッキはありますか?あればその理由も教えてください。また、何か面白いと思うデッキはありましたか?
ネオブランドは候補から外れましたが、これは単に良いデッキではなかったからです。《白日の下に》を使った4色氷雪《風景の変容》デッキが非常に強いという報告を他のプレイヤーから聞きました。第一印象は良かったものの、マナベースに欠陥があり、それが原因で投了することが多発したため諦めました。
《最高工匠卿、ウルザ》デッキは長い間調整しました。デッキ構築が非常に難しいこともあり、Tier1のデッキに一歩劣るのではないかと感じましたね。
《甦る死滅都市、ホガーク》デッキは《黄泉からの橋》が禁止になる前から使い込んでいたため、経験は十分にありました。そして禁止後も依然として確固たる強さを持っていたことがわかり、ミシックチャンピオンシップで使用することにしたのです。
最終的に選択したデッキの選択理由は何ですか?そのデッキの強みも教えてください。
ホガークヴァインを選択しました。禁止後も他を圧倒する力があるという単純な理由です。
禁止改定について何か意見や感想があれば、お聞かせください。
《黄泉からの橋》を禁止にしたのは非常に合理的だと思いました。ですが、《甦る死滅都市、ホガーク》が禁止を免れたのは発売したばかりのカードだったからだと私は思います。
2ターン目に0マナで8/8トランプルが出るのですから、《黄泉からの橋》がなくともおかしな強さでしょう。さらには、今回の禁止改定で墓地対策を緩めるプレイヤーも出てくるでしょうから、以前よりも遥かに都合が良くなっているかもしれませんね。
今回のMCのメタゲームはどのようなものになると予想していましたか?
いつも通り、全てのTier1デッキが混在するメタゲームになると予想しました。
今後使ってみたいカードやコンセプトなどはありますか?
試したかったことは大体試しました。《最高工匠卿、ウルザ》デッキは自分の好みに合致しているので、ミシックチャンピオンシップが終わった後にさらなる調整を重ねようと考えています。
それでも今回ホガークヴァインを選択したのは、明らかにデッキパワーが高かったからです。《最高工匠卿、ウルザ》デッキはなかなか理想的な構築が見えてきませんね。
彼は常に思案している。ベストなデッキ、ベストなプレイを。そしていつもその考え方や結論を余すことなく記事で伝えてくれている。
今回のインタビューによって、それらが試行錯誤の上で導き出されていることがより伝わっただろうか。
そんな、経験によって裏打ちされた彼の素晴らしい記事が、また届くのを楽しみに待つことにしよう。読んだだけで上手くなれたような気分にさせてくれる、そんな素晴らしい記事を。